生産事業部の佐藤未帆さん。担当しているのは、バウムクーヘンなどの包装資材の発注管理や棚卸し作業です。トレーや包装紙などさまざまな資材があるほか、新商品が出ればさらに数は増えていきます。
「とにかく毎日、確認することが大事。出荷状況で使うものが変動するので現場との確認や連絡はすぐに行うように心がけています」。工場によって使う数や種類が違ううえ、時期によって変動もあるそうで、さぞ大変かと思いきや「コミュニケーションが好きなので、いろいろな人と関われて楽しいんです」と、嬉しそうに教えてくれます。
失敗するから学びがある
佐藤さんが入社したのは6年前。就職活動時に自分に合う仕事がわからず、さまざまな経験をしてみたいと当社の業務内容に興味を持ったと振り返ります。「販売も営業もあれば、現場管理もある。それに、インターンシップでこの会社に来た時に感じた雰囲気の良さが、強く心に残っていたんです」。
入社後は、冒頭の資材管理の仕事に加え、商品のことを覚えるために直売店での仕事も兼任していました。
「どちらの仕事も中途半端で迷惑をかけているんじゃないかと不安でした。目の前の業務をこなすのに精一杯。入社後3年くらいの記憶がないくらいです(笑)」
得意なことを活かそうと、まずは人とのコミュニケーションに心を砕くようにしていきます。社内での人間関係を築き、少しずつ業務に慣れていきました。
「それでも失敗して覚える、の繰り返しです。たとえば『あいみつ(相見積もり)』の意味をきちんと理解しないままに仕事を進めて、取引先に失礼なことをしてしまったり……。失敗しながらも、まわりに聞くこと、自分で調べて学ぶことがいかに大切かを知りました」
落ち込んだ時の解決法は、お姉さんに話すこと。佐藤さんは4人兄弟の末っ子で、いちばん上のお姉さんにはよく仕事の話をしてきました。「そうかそうかと聞きながら、こうしたらよかったね、こうできたんじゃない?と話してくれる。私の気持ちを受け止めながら、解消してくれて、本当に頼りにしています」

直接話すことで、覚えてもらう
資材の発注・管理では、在庫の状況を把握しつつ、生産数や作業工程から予測して新たに発注していかなければなりません。「なぜか在庫が余ってしまうこともあるし、逆にあるはずの在庫が少なすぎたりすることもあります。必要な時に、必要なだけの在庫があるのがベスト。そのためには工場との連携が重要です。私はいつも『生のコミュニケーション』を大切にしたいと思っています」
一方的にメールを送って終わりにしない。直接顔を見て話したり、電話をかけて意見交換したりするように心がけているのだそう。それは工場とのやり取りに限らず、資材を発注する取引先に対しても同じこと。わからないことがあれば、素直に電話して聞くのが大事。コミュニケーションをとることで、密に連携がとれるようになり、業務が格段にスムーズに進むようになりました。
「それに、自分のことを覚えてもらえるようになったんです。私は『この人に任せたい』と思ってもらえる人間になりたい。自分を覚えてもらうのはその第一歩だし、少しずつお願いされることも増えてきたなと感じています」。
楽しく働く姿が会社の魅力につながる
3年前からは、新卒採用の仕事も兼任。大学3年生の夏に行われるインターンシップから4年生の就職活動まで関わり、その内容は多岐にわたります。
「就活サイトに掲載する内容の作成やインターンシップの企画と運営、会社説明会の実施、選考のスケジュール管理、学生への案内……と、もうとにかく必死です」。現在は売り手市場ということもあり、いかに当社に注目してもらうのかが要になってきます。限られた時間のなかで、必要な情報を伝えつつ、興味をひかなければなりません。
「まず、私自身が楽しく働く姿を見せることが大事だと思っています。自分を魅力的に見せることが、会社のイメージアップにつながるんじゃないか、と。実際、私もインターンの際に、この会社の楽しそうな雰囲気に魅力を感じて入社を決めたからです」
また、できるだけ多くの社員に話を聞き、どんな種類の業務があって、どんなことを心がけているのかを知るように努めています。誰よりも自分の会社に詳しくなるため、持ち前のコミュニケーション能力を活かしているのでしょう。
「ここぞとばかりに聞いてまわっています。でも、採用担当になって1年間ほどは、プレッシャーを感じていたのか、食事がとれなくなってしまったんです。少しずつ慣れて食べられるようになりましたが、『食べたい』『おいしい』と感じることの大切さが身に沁みました。毎日後悔しないように過ごしたいという気持ちが強くなって、会いたい人にはすぐ連絡するし、思っていることはきちんと伝える努力をしているつもりです」
後輩へのフォローを大切に
コミュニケーションに心を砕き、失敗しながらも進んできた佐藤さん。これからどんな自分になりたいか聞いてみると「若手から頼りにされる存在になりたい」という答えが返ってきました。採用に携わるうちに先輩としての自覚が強くなり、後輩に対してのフォローを大切にしたいと考えるようになったそう。
「大変そうな子や、しんどそうな子には声をかけて一緒に休憩したり、ご飯に行ったり。面談の時間を設けることもあります。きっと後輩ものちのち同じようにしてくれるはず。それがいい連鎖として続いていけば、よりいい会社になっていくと思っています」
