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アイデアと工夫の毎日、お客様の笑顔がいちばんの喜び。

株式会社中部テック 代表取締役社長

井田 直也

アイデアと工夫の毎日、お客様の笑顔がいちばんの喜び。

中部テックが手がけている仕事の多くは、段ボールを素材としたさまざまなケースを開発・製造することです。

「運ぶものの形状や重量、さらには配送方法まで考えて対応し、ケースはもちろん、その内部の細かなパーツも考えていくのも仕事です」と社長の井田直也さんが教えてくれます。さらには、自動車部品や医療関係の器具の検品、家具などの組み立てや仕分け、それらの梱包までをも手がけてきたそう。

「治一郎さんとのお仕事としても、配送用の段ボールケースを製造したり、通信販売の商品の梱包や出荷作業まで手がけています。食品というとてもデリケートなものを、お客様のもとへしっかりお届けすることを大切にしています」

ここまで仕事の幅が広いのには、井田さん自身の強い心構えがあってこそ。

「『困っている人がいたら助ける』ということが信念です。どんな仕事も『できません』と言わず、まずはなんとかできることを探して、できる限りのことをしたいと思っているんです。結果、相手に喜んでもらえますし、信頼関係を築くことにも繋がりますから」 

むずかしい形状のケースを作らなければならないけれど、できるだろうか。短い納期で商品を送らなければならなくて困っている。そんな相談が持ち込まれたら、シートメーカーに協力をお願いしたり、社内での作業を調整したりして、なんとかできる方法を探るのです。

「『ありがとう』と言っていただくと嬉しいですし、仕事のやりがいにもつながります。頼ってもらえる存在になりたいと思いながら、仕事をしています」

12年前にお父様から引き継いで社長となってから、井田さん自身もたくさんの人たちに助けられてきたと振り返ります。それまでやったことのない検品や組み立てなどを手がけるようになったころは、プレッシャーも大きかったそう。

「手探りでやりながら、事業的に苦しい時期もありました。でも、まわりの方々が気にかけていろいろな仕事をくださったことで、本当に助けられたんです。だからこそ、自分も困っている人を助けたいと強く思っています」

新しい仕事へつなげていく

幅広い仕事にチャレンジし、取引先の困りごとにも向き合っているうちに、中部テックには新しいノウハウがどんどん蓄積していきました。それが実を結んだといえるのが、治一郎との仕事です。できあがった商品を配送するための段ボールケースを手がけることになり、形状や重量、輸送方法に合わせて開発をしていきました。苦労したのは、焼き上がったバウムクーヘン一本を、そのままの姿で運ぶためのケース。

「やわらかいバウムクーヘンを絶対に潰さないようにしなければなりません。芯をしっかり固定する形状を考え、さらに配送に耐えられる強度が必要でした。何度も試作をして、テストを繰り返していったんです」

テストでは、配送の途中で箱の中で芯が外れて商品が落ちてしまったり、バウムクーヘンの芯がケースを突き破ってしまったり。問題が起こるたびに、過去に取り組んだ仕事を思い返しては、解決法を探りながら試していきました。

「とにかく、チャレンジの連続でした。それだけに、やっと完成したときの喜びはものすごく大きかったです。お役に立てているという実感もわいてくるし、この仕事の意義を感じられる取り組みだったと思います」 

また、数年前から治一郎の通信販売の仕事も手がけるように。お客様からの注文を確認して商品をピックアップし、段ボールケースに詰めて伝票を貼るまでを、すべて手作業で行っています。

「適切なサイズの段ボールを選び、商品が動かないよう緩衝材を詰めて梱包します。ご注文によっては、のしをかけることもありますし、季節商品を組み合わせるなど、臨機応変に対応しています。ていねいに梱包し、その状態が配送中もきちんと保たれるようにしなければなりません。私たちの仕事は『梱包する』だけではなく、お客様のもとへ美しい状態で届けることが大切なのです」

配送時の揺れにも動じないよう詰め込み、かつ、届いた先でもスムーズに取り出すことができ、美しい見た目であること。そこには、今までさまざまな商品を手がけることで培ってきたノウハウが存分にいかされています。

「受け取ったお客様が喜んでくださった声が、何よりのやりがいです。自社のスタッフにも伝えて、モチベーションにつなげるようにしています」

チャレンジすれば、きっとプラスに

社長に就任してから12年が経つ今、改めてチャレンジすることの大切さを実感していると井田さんは話します。

「一生懸命取り組んでいれば、喜んでくださる方がいるし、必ず認めてくださる方が現れます。ありがたいことに、何かしらの形でプラスになって返ってくるものなんだな、と感じることが多くて。だからこそ、これからもチャレンジを続けていきたいと思っています。」

じつは、机に向かうよりも、現場で作業をしながら、あれこれとアイデアを考えるほうが好きなのだと教えてくれます。「現場にいるからこそわかることって、たくさんあるんです。今取り組んでいる仕事も、もっといい方法があるかもしれませんし、次にやるべきことも見えてくる。だから、できる限り現場に足を運ぶようにしています」

そんな現場好き、チャレンジ好きな井田さんが、これから取り組みたいことはなんでしょうか?

「自社のオリジナル商品を制作して販売することです。以前から段ボール製の簡易トイレはすでに制作して販売したんですが、さらにベッドなども考えていきたい。災害時に使えるものを開発して、社会貢献につながる仕事に挑戦していきたいと思っています」

井田さんのチャレンジの日々は、これからも続いていきます。